春先から市場に出回り、4月半ば、全盛期に差し掛かったホタルイカ🦑
そんなの知ってるよ!レベルだった[#1-A]をもう少し掘り下げていきたいと思います。
当記事は
- 旬と産地について
- 流通について、ついでに選び方
- 相場感について
をより深掘りしてまとめています。
旬と産地について
1-Aでは山陰産と富山産の地物について触れました。
両者には品質の差があると記載しましたが、これには大きく理由が2つあります。
- ホタルイカの性差
- 漁獲方法
先に結論を言うと、メスの方が美味とされており、富山では定置網での漁獲を行なっている。ということです。
ホタルイカの性差
地物のホタルイカは産卵期のメスが主体。
この時期のメスは卵を持っている、ミソが詰まっている、という特徴があります。
そのため地物のほうがより美味しく、魚体も大きくまとまってくるということなんです。
そしてこれを実現しているのは富山に数人しかいないホタルイカのオスメス鑑定士がいるのからに他なりません。
あの小さい魚を一杯ずつ視認し、メスを選り分けられる一子相伝の技術があるというのが驚きですね。
、、、
、、、
嘘です。
人の目ではないなら機械で選別しているのか、というとこれも違います。
ではどうしているのか、それが漁獲方法に依るものでした。
漁獲方法
ホタルイカはもともと水深200mから500mぐらいの少し深い場所に生息しているとされますが、産卵する際は沿岸に向かって海面近くまで浮上してきます。
そこを狙い、定置網により漁獲しているため、メスが多い魚群をキャッチすることができるということなんです。
なので、旬の時期の、特に地物のホタルイカは大きくミソの詰まったものが多くなるというわけなんですね。
さらに言えば、漁港に近い場所での網のため、浜に上がってくるものは鮮度の良いものばかりになります。
対して山陰では漁獲方法が違います。
沖合いの深い場所に生息するホタルイカを底引き網で漁獲しています。
そのためオスメスが混じり合い、結果として地物より小さい個体が混ざる、鮮度感が若干落ちるなどの品質の差に繋がるんですね。
流通について、ついでに選び方
ボイルホタルイカ
メインで流通している規格がいくつか存在しています。
- シングルトレー
- 3折トレー
- バルク箱
シングルトレー
度々画像を貼付しているのがいわゆるシングルトレー。
平折れ、一枚トレー、ストレート等と呼ばれることもあります。
この1枚のトレーの中にだいたい300gから350g入って流通しています。
重量規格は荷主(いわゆるメーカー)によって差があるので魚屋ごとの好みなどで仕入れが変わってくることでしょう。
トレーについても荷主ごとで若干サイズが違うこともあるため、重ねることができないものがあったりしますね。
3折れトレー
“みつおれ”と呼び、その名の通り1枚の板が3つに折れるように出来ているものです。
こちらも1枚あたりだいたい300gから350g。
パキッと割ることで100gごとで更に小分けして流通することが出来るようになっています。
正確には分かりませんが、一般家庭の方の手に取りやすい量感となるため、恐らくスーパー向けで開発、流通されたものだと推測しております。
バルク箱
発泡スチロールの箱にバラ入れになって流通しているものです。
こちら画像が無く分かりづらくてすみません。
見たことがあるのは1kg版、2kg版、3kg版ぐらいでしょうか。
街の魚屋や、スーパーなど、ここから更に小分けして販売することを目的としているものだと推測されます。
トレータイプと比較すると割安になるのですが、複数枚買っていく飲食店の方でもお買い求めになるのは本当に稀です。
また、ボイルホタルに関して目利きをするのであれば、[艶があり][よく肥えた][独特の香りのキツすぎないもの]を選んでいくこととなります。
逆に言えば[乾いてしまい]、[身がだれて]、[香りのキツいもの]は鮮度が落ち始めている証拠なのでまたなるべく避けましょう。
生ホタルイカ
生ホタルに関してはこの1規格しか手にしたことが無いですね。
若干の包装の違いはありますが、画像のように7杯✖️3段の21杯入りのトレーでの流通になります。
重量規格の設定は恐らく荷主ごとあるのでしょうが、耳にしたことがありません。
感覚的には旬の盛りの時期が一際大きくなるイメージです。
鮮度が落ちてくると茶黒系の色がボケていき、白くなっていくのはイカ全般に言える事ですね。
活けホタルイカ
あまり詳しくないので今回はスキップします。
相場感
さて、ここまで見て頂いた方は早速手に入れて酢味噌と共に一杯やりたくなってきているのではないでしょうか。
手に入れる際の最後のハードルとして相場感のお話になります。
ボイルホタル
山陰産は[400円/トレー]前後の感覚です。
地物は[800円/トレー]前後ですかね。
えぇ、倍近くするというのは本当の事でした。
ただし、まさに旬であれば、地物の水揚げも多く600円ほどまで下がってきます。
すると同様に山陰産も安くなり300円ほどに。
ここまで安くなってくると山陰産の価格メリットも薄くなってしまうので、地物ばかりが売れてしまう、なんて状況もよく目にしますね。
生ホタル
山陰産は[350円/トレー]
地物は[700円/トレー]
あたりが大体の目安ですね。
こちらも倍ほど違ってくるので、用途に合わせてご購入されることをお勧めします。
おわりに
当記事は、味も良く、コスパの非常に良い魚(イカ)のホタルイカを、魚屋目線でご紹介してきました。
いかがでしたでしょうか。
ご自身で手に入れる際の目安に、誰かに供する際の知識に、そして飲食店で誰かと相伴する際にはトリビア的話の種となれば幸いです。
※全て主観によるものであり、100%正しい情報とは限らないので悪しからず。
書ききれていないこともまだあるので、質問などあれば是非コメント欄へどうぞ。
[#1-A]に引き続きホタルイカについてのお話でした。
次回のお魚紹介ではトリガイ、イワシ、ハモ、タチウオあたりで記事を作れたらと思います。
良ければ別の記事もご覧になって下さいね。
Hasta la vista!!
コメント